音量を上げろタコ! 「BGM音量」の罠。
こんにちは、nuskです。
ずっと気になってました!
今年10月ROADSHOWです!
阿部サダヲの出てる映画って、なんだかものすごく安心感がありますよね。
絶対面白いんだろうなって。
あらすじは、歌声の小ささがコンプレックスのストリートシンガー(吉岡里帆)が、「キセキの歌声」を持つロックシンガー(阿部サダヲ)と出会い、ハチャメチャなことになるという感じみたいですが… 今のところ情報不足です。
原作小説があるみたいなので、公開前に予習します!
音楽に関しても、L'Arc〜en〜CielのHYDE、いしわたり淳治(元スーパーカー)、今が旬のあいみょんなど、豪華かつ異色のラインナップが揃っています。
製作陣の音楽趣味の闇鍋感多様性が伺えますね!
さて今回は、映画「音量を上げろタコ!」にちなんで、音楽を聴く際の「音量」の重要性について、お伝えしたいと思います。
ロックを聴くための「大前提」
大好きなロックミュージシャンはいるけど、
大好きな歌が、実はロックソングらしいけど、
実は「ロック」というジャンル自体の良さがイマイチわからない!
という貴方。
ロックを「聴くコツ」については以前こちらでまとめました。
うーん、ざっと読んでみたけど、あんまり実感できないなー
という方は、自分はロックとは縁がなかったんだな…なんて諦めないで下さい!
「ロックを聴くコツ」以前に、
ある落とし穴にはまってしまってるかもしれません。
それは…
「おしゃれなカフェのBGMみたいな小音量」
=「おしゃカフェ音量」
で音楽を聴いてしまっている、ということです。
心当たりのある貴方。
失礼ですが、あなたが聴いてるのは、実は「ロック」ではなく、単なる「鼻唄」ですよ!
※「鼻唄」の画像ってありませんでした(そりゃそうですよね、ヨホホ!)
「鼻唄」というのは要するに「歌のメロディー(主旋律)」のことです。
ロックだけでなく、音楽の良し悪しは「歌のメロディー」だけでは判断できません。
「歌メロ」しか聴こえていないというのはちょっと言いすぎかもですが、「おしゃカフェ」音量では決して聴こえない「音」や「フィーリング」があります。
小音量では聴こえないモノ
実はロックミュージックを聴くにあたって、ある程度音量を上げないと見えてこない(聴こえてこない)モノが「3つ」あります。
1つずつ解説していきましょう。
①ドラムが生み出すロックのグルーヴ感
さきほど案内した以前の記事で、ロックを聴く第一のコツとして、ドラムの叩き出すグルーヴを体感すべし、と書きました。
いいですか?
ドラムの「音を聴くべし」ではありません。
グルーヴを「体感すべし」です。
ライブに行ったことがある方なら誰でもわかると思いますが、ドラムの音圧って音源とは比べ物にならないですよね。
単にリズムをキープするんじゃなくて、ドカーンと、まさにロックの震源地と呼ぶべき迫力と、バンドを突き動かす推進力が、ロックドラムにはあります。
ドラムのフィルインは勿論、スネアのリズムがバンド全体をぐいぐい引っ張っていく感覚があります。おそらくこのフィーリングは、小音量では「聴こえて」こないでしょう。
ライブにおけるドラムの存在感が、ロック特有のグルーヴを生み出しています。
そして、ライブの環境にできるだけ近づけるためには、ある程度の音量が必要なのです。
②ギターノイズの快感
エレキギターのアンプには、「ゲイン」というつまみがあります。
これを調整することで、音に「歪み」をだすことができます。
私なりに擬音語であらわすと、ガギャガギャギュイーンっていうやつです。
常識的に考えたら、ただの雑音(ノイズ)なんですが、この「ギターノイズ」が、まるで音のシャワーのように心地よく聴こえてくる瞬間があります。
ロックの神様が舞い降りる瞬間です。
①と同じく「体感せよ!」です(雑)
インディーロックの最大公約数「レディオヘッド」。
今でこそ仙人もしくはホーム●スみたいな風貌のトム・ヨークですが、この頃はみんなバンドマンっぽいですね。
スタジオ音源をヘッドフォン(もちろん大音量)で聴くと、トリプルギターが生み出す厚みのあるノイズが、脳みそを高圧洗浄してくれます。
My Bloody Valentine - To Here Knows When (Live)
ギターノイズの快感を追求する「シューゲイザー」というニッチな音楽ジャンルもあります。
その代表格かつ完成形がマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。
この映像はちょうど10年前の今頃のフジロック。感慨深し。
いずれも、「ギターノイズのシャワー」は残念ながらYoutube動画では伝わりません。
スタジオ音源を、良質のヘッドホンでどうぞ。
③重低音の迫力
ベースの音や、バスドラムなどの低音楽器は、小さい音量では、その迫力はまったく伝わりません。(最悪、聴こえもしません)
また、低音楽器だけでなく、エレキギターやボーカルに含まれる低音成分も同様です。
それら低音の迫力を含めた、楽器同士の高密な絡み合いが、ロックミュージックの最大の魅力の1つといえます。
Black Rebel Motorcycle Club - Little Thing Gone Wild
この曲は、ツインドラムで、ベースの重心も低く、ボーカルも低音成分が多いので、大音量で聴くと、煮えたぎるマグマのような感覚が味わえます。
①ロックのリズム感、②ギターノイズ、③重低音 を味わうためには、「おしゃカフェ音量」では文字通りボリューム不足ということは、お分かりいただけたかと思います。
歌声や歌詞にも説得力が増す
どんなバンドでも、「ライブで聴くと3割増」とはよく言いますよね。
これはもちろん視覚的要素もありますが、先に挙げた音量の要素が非常に大きいと思います。
「この地味顔ボーカル、全然オーラないな…」
「コイツの歌い方カマっぽくて気持ち悪い!」
試聴した段階で、あなたにとって「マイナス評価」のバンドも、ライブで聴くことで、歌声、歌詞、メロディー等の要素に、不思議と説得力を感じてしまうものです。
これが「ライブ3割増しの法則」の正体です。
音楽を聴く行為=ライブの疑似体験
そもそも音源を「再生」するという言葉通り、私たちが普段CD等の音源を聴く行為=ライブの再現であるべきだと私は考えてます。
そもそも、100年前には「録音」の技術もありませんでした。
音楽(当時は専らクラシック音楽ですが)を聴くことは、生演奏(ライブ)を聴くことだったんですね。
生演奏を聴くということは、ミュージシャンや、演奏される音楽に向き合わなければなりません。
しかし、今や音楽は、いつでもどこでも聴けますよね。
その究極がspotifyに代表されるストリーミングサービスです。
「おしゃカフェ」音量に代表されるBGM文化というのは、音楽を飼いならしすぎた現代人の「怠惰」の産物なのかもしれません。
すみません、少々話題がシリアスになってしまいました。
「アンタ、4000字近くも御託を並べてるけど、音量を上げるだけで、ほんとに「ロック」ってのがわかんのかよ?」
という方に、これだけは言わせてください。
百聞は一見にしかず。
疑わしいと思うヤツは今すぐ…
音量を上げろタコ!!!
(よっしゃキマった)
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