音楽の聴かず嫌い。 ~洋楽ロック完全攻略メソッド~

「良さがわからない」音楽(主に洋楽ロック)のHow to listenをレクチャーするブログ。

ボブ・ディランに学ぶ「ロックを聴くコツ」

 

 

 

こんにちは、nuskです。

 

 

前回の記事は、「音楽に国境はない」というスローガンは実は間違いで、普段聴き慣れないジャンルの音楽を聴くためには「聴くコツ」を知る必要があるという内容でした。

 

 

nusk.hatenablog.com

 

 

 

今回からは、具体的な「聴くコツ」について触れていきます。

 

 

今回のテーマは

「音楽ジャンル」にあわせて聴き方を変えようです。

 

 

 

音楽ジャンルとは?

 

 

 そもそも、音楽ジャンルとは、なんでしょうか。

 

音楽ジャンルとは、ごくごく簡単に言うと、音楽のスタイルを分類する言葉です。

 

 

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一番身近なのが、よくTSUTAYAレンタルCDコーナーに設けられている、「邦楽ロック」「洋楽ロック」「HIP HOP」「ジャズ」などと書かれた仕切りプレート。

 

私の近所(地方のド田舎)のTSUTAYAでは、売り場全体でもせいぜい30分類くらいですが、Wikipediaによれば、「ロック」というジャンルの中だけでも、100種類近くに分類されています

 

 

音楽ジャンルには、それぞれ異なる演奏スタイルがあり、歴史があります。

 

例えば、「邦楽ロック」リスナーが「洋楽ロック」を聴くためには、聴き方を変えないといけないのです。

 

 

「でも、なんで聴き方を変える必要があるの?」

 

「ジャンルが違っても、しょせん同じ音楽でしょ」

 

 

という疑問や反論があると思います。

 

では、逆に音楽ジャンルによって聴き方を「変えない」とどうなるのでしょうか?

 

アメリカの伝説的ミュージシャンボブ・ディランが巻き起こした、ポップミュージックの歴史的事件を例として、解説していきます。

 

 

 

ところでボブ・ディランって誰?

 

 

皆さんはボブ・ディランというアメリカのシンガーソングライターをご存知でしょうか?

 

去年ミュージシャンでは前代未聞のノーベル文学賞を受賞したことが記憶に新しいと思います。(右の人です↓)

 

 

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通常、小説などの文芸作品に贈られるはずのノーベル文学賞を取ってしまうぐらい、彼の書く歌詞は評価・賞賛されています。

 

しかし何より、独特の「語りかけるような」歌唱法が非常にユニークで、イギリス新進気鋭のシンガーソングライター「ジェイク・バグ」や、HIP HOPのラッパー達にも影響を与えています。

 

 


Bob Dylan - Subterranean Homesick Blues

 

 

 

この曲は比較的「ロック」色が強いですが、初期は、フォークシンガーとして活動していました。

「フォーク」とは、アコギ一本(とハーモニカ)を持って弾き語る音楽ジャンルを指します。

 

彼の場合、単なるフォークシンガーではなく、

ノーベル賞級の詩と、独特な歌唱法を武器にして、若者から人気を得ていました。

 

当時のアメリカは、公民権運動という、アメリカ政府に対する反体制運動が若者の間で流行しており、ディランの存在は、そんな若者たちの中で、「怒り」や「反抗」の代弁者(=プロテスト・シンガー)として、祭り上げられました。

 

 

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ディラン氏、あっさり「ロック」に転向

 

伝統的なフォークスタイルで歌っていたボブ・ディランですが、1960年代半ばになると、ビートルズローリング・ストーンズなど、イギリス発の自作自演(バンド自身で作曲から演奏までをこなす)ロックバンドが、海を越えてアメリカでも爆発的に流行しました。俗に「ブリティッシュ・インベイジョン(英国の侵略)」と呼ばれ、世界中にロック旋風を巻き起こします。

 


Rolling Stones Gather Moss (1964) | British Pathé

 

 

↑2:50以降ライブ演奏の映像です。

若き日のミック・ジャガー、死ぬほどイケメン。

 

 

ディランは、ビートルズストーンズとも当時交流を持っていたそうで、彼らの演奏する「ロック」という新しいジャンルの音楽に、大いに刺激を受けました。

 

満を持してというか、あるコンサートでディランは、

バックバンドを従え、自らもアコギをエレキギターに持ち替え、ロックミュージックをジャジャーンと掻き鳴らしました。

 

大音量で大好きなロック音楽を演奏できた時は、さぞかし気持ちが良かったことでしょう。

 

 

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しかし待っていたのは、

熱狂的なファンからの大ブーイング。

 

「反抗の精神を捨てた」

「フォークに対する裏切り」

とまで罵られました。

 

しかしディランはこれに臆することなく、というかこれを皮切りに、ほぼ全編ロック演奏によるアルバムをリリースし、固定のバックバンドでツアーも回りました。

 

 

 

この事件はロック史的には大変有名な事件で、一般的には、

 

硬派で政治的なプロテスト・ソングを歌っていたディランが、軟派なロックバンドを率いて、大衆に迎合した歌を歌うようになってしまった

 

と思われがちですが、この解釈、実は間違いです。

 

 

ボブ・ディランはプロテスト・シンガーじゃなかった?

 

 

ディランのファンには、反体制の危なっかしい連中が数多くいたようですが、ディラン自身が、どこまで「公民権運動」に入れ込んでいたのかは疑問です。

 

何故なら、そもそも彼の詩はとても抽象的場当たり的なので、特定の政治を真剣に批判していたようには思えないからです。

仮にそういう批判的な曲やフレーズがあったとしても、それは

 

反体制の人々が勝手に解釈して盛り上がっていただけか、

 

もしくは

 

「タンスで足の小指打って痛ぇ」程度の愚痴

 

だったのではないかと思います。

 

 

と、持論も入ってしまいましたが、ディランはそもそも政治なんかにそこまで興味なかったんじゃないでしょうか?

 

 

 

ディランはエレキギターに持ち替えたあとも、抽象的で場当たり的な歌を、相も変わらず歌っていたのです。

 

そういう飄々としたところが彼の魅力ではないでしょうか。

 

 

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ディランのファンは「ロック」が良くわからなかった

 

 

では、なぜ既存ファンはディランの「ロック化」=「裏切り」と感じてしまったのでしょうか?

 

それは、ディランファンには「ロック」という音楽が「良くわからなかった」からです。

 

 

要するに、ファンがディランのロック転向を受け入れられなかったのは、歌う内容が変わったからではなく、

シンプルに、彼らが「ロック」というジャンルの「良さがわからなかった」というだけなのです。

 

フォーク愛好家の彼らは「ロック」というジャンルに合わせて聴き方を変えるべきだったのです。

 

言い換えると、彼らは、ジャンルに合わせて音楽の聴き方を変えなかった(変えることができなかった)が為に、

ロックシンガーとしてのボブ・ディランを楽しむことができなかったのです。

 

では「フォーク」リスナーが「ロック」を聴くにあたって、どのように聴き方を変えるべきだったのでしょうか?

 

次回に持ち越します。

 

 

 

 

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