「なんちゃってシンガーソングライター」に告ぐ!本当にすごいのは「編曲者」だ!
「今回は作曲に挑戦してみました☆」
横行する「なんちゃライター」
普段作曲しない、歌手専業のシンガーが、気まぐれで作曲してみたり、アイドルがアルバム収録曲のうち2曲くらい作曲してみたり、というのは、ありがちな話ですよね。
そんなイケ好かない人たちを「なんちゃってシンガーソングライター」略して「なんちゃライター」と名付けたいと思います。
だって、これっておかしな話じゃないですか?
地元のライブハウスで、実力はあるのに、いかんせんパッとしないくすぶっているバンドやシンガーソングライターが無数にいる中で、毛も生えてないような素人が作った曲が、CDになって全国流通してしまうなんて!不条理!
けど、もっとおかしな話があります。
それは、そんな素人の作ったはずの曲が、「案外イケちゃう」ということ。
三流アイドルの作った曲がこのオレ様の心を突き動かすだと!?
まがりなりにも、古今東西有象無象の「プロ」ミュージシャンの音楽を聴き潰してきました。
そんな生粋の音楽オタクである私の自尊心はズタボロです。
なんちゃライターの作った曲が「案外イケちゃう」理由
作曲に関して素人のはずの三流アイドルの作った曲が、案外イケてる、つまり意外とクオリティが高いのはなぜでしょうか?
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、答えは、「編曲者(アレンジャー)」の存在です。
編曲者とは、メロディー(主旋律)に対して、様々なアレンジ(飾り付け)を施していく作業をする人のことを指します。
素人が思いついた、しょーもないメロディーが「案外イケて」聴こえるのは、「編曲者」が、私たちの予想以上にイイ仕事をしているからなんです。
そして、実は三流アイドルが作っていたのは「楽曲」ではなく、単なる「鼻唄」だったんです!
音楽は編曲者がつくる
実は巷に溢れる「楽曲」を音楽たらしめていたのは、「編曲者」が思いのほか頑張ってくれてるからなんですね。
「編曲」という作業は多岐にわたり、専門性も高いので、説明するのは非常に難しいです。。
こちらの記事がとてもわかりやすく、非常に参考になります。(丸投げ)
音楽は、歌のメロディーを先に作られることが多いです。
まれに歌詞を先に書く人もいるそうですが、ほとんどの作曲は「鼻唄」を作ることからはじまります。
鼻唄を元に、歌詞をあてはめて、リズムを決めて、バンドアンサンブルや、アレンジ(ストリングスや電子音等)を加えて、録音して、やっとできあがるのが「楽曲」です。
こうして出来上がった「楽曲」を「パン」に例えるなら、失礼な言い方ですが、「鼻唄」はまだ「小麦粉」の状態です。
この状態では食べられたものではないですよね。だって「小麦粉」を美味しく感じるのは、ダニぐらいですから。
いやいや、音楽はメロディーが第一でしょ。
メロディーが本当に優れていれば、鼻唄でも十分魅力的。
逆にメロディーがショボければ、どんなに飾り付けてもムダ!
ええ、確かにそうです。
世の中には「素材」だけで充分、余計なアレンジはいらない、と思えるような神がかったメロディーは確かに存在します。
The Carpenters - Yesterday Once More (INCLUDES LYRICS)
すべてのアレンジが平伏すような、神がかりのメロディー。「 余計な小細工はいらない」と思わせる稀有な名曲です。
しかし、ショボいメロディーだったら、何をしてもムダ、というのは明らかに間違いです。
素人が作ったショボいメロディーを元に、立派に仕上げられた楽曲が、世の中に溢れていることからも明らかです。
今回は、横行する「なんちゃライター」の存在を暴き、そこからみえてくる「編曲」の重要性を紐解いてみました。是非、皆さんのお気に入りの楽曲の「クレジット」を確認してみてください。
編曲:〇〇
Arrangement:〇〇
Arranged by 〇〇
というのがCDの歌詞カードのどこかに記載されていることと思います。もちろんCDやレコードがなくても、ネットでもカンタンに調べられます。
このアーティストって、自分でアレンジもやってるんだ!とか、このバンドってフロントマンの〇〇がぜんぶアレンジ考えてるんだ!という発見が、音楽を聴く楽しみの一つです。ではまた!