女性シンガーソングライター特集!邦楽フィメールSSWの夜明け。
申し遅れましたが、私nuskには、2人の娘(5才/3才)がおります。
それはそれは、天使のような可愛さです。
そんな娘たちが近頃、幼稚園で覚えてきたであろう「チ●チン」とか「ウ●コ」とかいうお下品な単語を、毎夜連呼しては笑い転げてます。
それに対して、
「女の子はそんなことは言いません!」
「もっと女の子らしくしなさい!」
と叱りつける毎日。
そんな中、TVアニメ「HUGっと!プリキュア」にハッとさせられた出来事がありました。。
「女の子だってヒーローになれる」
「男の子だってお姫様になれる」
「女の子らしく」と当たり前のように発してた言葉を、少し考え直さないといけないなぁと思った今日この頃です。
今、女性シンガーソングライターがキテる。
さて、本題です。
そんな「女性らしさ」「女の子らしさ」という狭いカッコでくくれないような、個性的な女性SSW(シンガーソングライター)が、続々と頭角を現しています!
彼女たちは、「なんとなく成行きでバンドやってまーす」的な、凡百のバンドマンが100人束になっても敵わない、強い芯と、アーティストとしての表現力を持ち合わせています。
今日はその中でも一押しのアーティストを4人(組)に絞って紹介していきます!
CHAI
まずは女性4人組バンド「CHAI」です。脱毛サロン ミュゼプラチナムのCMにも起用されているので、ご存知の方も多いでしょう。
「もうすでにブレイクしてんじゃん!」との声もあるでしょうが、いえいえこんなもんじゃありません。
なんせ彼女たち「グラミー賞」狙ってますから。
最初は、
「ハイハイ、どうせチャットモンチーとSHISHAMOの系譜でしょ」
なんて思ってスルーしていましたが、よくよくみてみると…
いや待てよ、なんかおかしいぞ…
「ド●ス」しかいないじゃないか!!
そうです。チャットモンチーやSHISHAMOは、あくまで愛嬌のある「ちょい●ス」でした。
しかしCHAIのメンバーはもれなく、一人余さず、
混じり気なしの●スなのです。
やっと言えます。
シャグスの再来だー!!
ザ・シャグスは60'sアメリカンサイケを聴く上で必ずブチあたる「試金石」とも言えるバンドです。
およそ50年の時を超えてCHAIと通じあう、インパクトのあるビジュアルもさることながら、驚くべきはその演奏力です。
「ヘタウマ」なんて上品なものではありません。単なる「へたくそ」です。
この怪しいグルーヴを「サイケデリック」と呼べるかどうか、あなたの素質が試されます。
思わぬところでテンションが上がってしまい、コイツらきっと普通じゃないな、とYoutubeで音源を聴いてみました。
ガールズバンド御用達のギターロックでもテクノポップなく、CHAIのサウンドは、紛れもなく「ポストパンク」でした。
CHAI - N.E.O. [YouTube Music Sessions]
ポストパンクとは?
ポストパンクとは、1970年代後半パンクロック終焉の後、パンクの精神を受け継ぎながらも、音楽的に多様化していったバンド群の総称です。
「ポスト」パンク=パンクの後釜、ということですね。
音楽性は様々ですが、従来のロックバンドに比べて、クールで簡素なサウンドを目指しました。
Joy Division - Transmission [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
やけに高い音を奏でるベースと、高速で刻まれるハイハット。
当時のリスナーからすると、一昔前の「オールドロック」を遥か銀河系の彼方へぶっ飛ばすほど、革新的でクールだったのではないでしょうか。
Young Marble Giants- Wurlitzer Jukebox
隙間だらけの音作り。ドラムス不在。やる気のないボーカル。
ブルースに根差した旧来のロックとは一線を画した自由なサウンドは「ニューウェーブ」とも呼ばれました。
ポストパンクの「クール」なサウンドを継承したCHAIというバンドは、「ちょい●ス」ではなく、「クール●ス」と呼ぶに相応しいのではないでしょうか?
そう、真夏のサラリーマンの必須事項ですね(それはクールビズ!)
柴田聡子
なんやコイツ!今度はド直球の「ちょい●ス」やんけ!
スミマセン、もうやめておきます。
女の子の親として、ものすごく恥ずかしくなってきました。。
音楽的には、ゴリゴリの極上シティポップです。
「ゴリゴリのシティポップ」というと、「白いブラックサンダー」みたいなおかしな感じがしますが、気にしないでください。
バンドサウンドの都会的なアレンジも、スパイスを効かせつつ綺麗にまとまっていて、軽やかなボーカルと見事に調和しています。
フーセンの空気が抜けて飛んでいくような歌い方がとてもキュートです。
荒井由実の「中央フリーウェイ」を思い起こさせます。
シティポップという河川があるとすれば、この曲と、この時代のユーミンは、その最上流に位置すると個人的に思っています。これほど澄み切ったメロディーとサウンドがあるだろうか。
iri
お次は嗜好を変えて、R&B系のSSW。
spotifyのオススメに出てきましたが、そのハスキーなボーカルが醸し出すLAZYな雰囲気に一発でやられてしまいました。
若干24歳で、完全に堂に入ってます。
ボーカリストのしてのオーラがハンパないです。
経歴を調べてみると、JAZZバンドでボーカルを務めていたとのこと。道理で。
日本では珍しく、楽曲ごとにプロデューサーを変えるというU.S.Aなスタイルでアルバムを制作しています。
コラボしている制作陣には、5lackやケンモチヒデフミ(from水曜日のカンパネラ)などのビッグネームも。
スモーキーでジェンダーレスなボーカルスタイルは、JAZZシンガーのカサンドラ・ウィルソンを彷彿させます。
Cassandra Wilson - Blue Light 'Til Dawn
男性?いや女性?あれやっぱり… 歌声が渋すぎて、最初ラジオではじめて聴いたときは、本当に男女の区別がつきませんでした。
しかし、闇夜から忍び寄る蛇のような、湿度の高い歌声に、一瞬で虜になりました。
忍び寄るスライドギターと、音の隙間を生かした大人なアレンジも見事。
吉澤嘉代子
今回紹介したアーティストの中では、ボーカリストとしての表現力がダントツでNo. 1です。
吉澤さん、「からだの奥に残ってる」はマズくないですか?
クリープハイプばりの「内角攻め」の歌詞は置いといて…
この人は何より歌が凄いんです。
なんというか、歌声にエグみがあって、声色にいくつもバリエーションがあって、その切替えがものすごく上手です。
にもかかわらず、ごく自然に流れるようなフレーズを歌います。
うまく伝わっていないと思いますが、こんな時に便利な言葉があります。
つまり「天才」ということです笑
以前紹介した崎山蒼志くんにも通じる要素かもしれません。
エグみのある歌声と流麗さの同居は、椎名林檎(昔に比べて格段に歌唱力あがってますよね)や、イギリスのSSWジョニ・ミッチェルを思わせます。
All I Want - Joni Mitchell (original)
生活感のある、少々キワドイ歌詞世界と、情感のこもった歌い方は、先程も言及した通り、クリープハイプにも似ていますね。
以上、女性SSW特集でした!
今回紹介したどのアーティストも、「女性」であることを武器にせず、かつ「女性」であることと常に向き合いながら、立派なひとり(1組)の音楽家として、自らのキャリアを着実に進めていますね。
1年先には、いずれのアーティストも間違いなくブレイクしてるはず。
彼女たちのDay Break(夜明け)は近い!!
…さて、これから娘の教育方針会議をはじめたいと思います。。
では。
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