ロックバンドのアコースティックソング 名曲ベスト5
エレキギターの老舗・ギブソン社の経営破綻に象徴されるように、近年エレキギターの売れ行きが減少の一途を辿っています。
数々の名器名演を生み出してきたギブソンの倒産は非常に残念ですが、前向きに捉えるなら、これは楽器の選択肢の多様化によるものではないでしょうか?
なぜなら、エレキギターに替わり、アコースティックギターの販売数はここ10年で大幅に増加しているからです。
昔は若者が「音楽やりたい!」って思い立ったら、エレキギターに人気が集中していましたが、崎山蒼志くんはじめ、アコースティックギターを生業とする人たちが最近増えてきているように感じます。
アメリカではロックバンドがアコースティックセットでスタジオライブを行う「MTV unplugged」なんて番組も有名ですよね。
さて、そんな「アコギ再燃」の流れを受けまして、ロックバンドのアコースティックソングBEST5を発表したいと思います!
第5位 クリープハイプ / 傷つける
シングル「憂、燦々」のカップリングとして収録されていた、割とマイナーなはずの曲なのですが、Youtubeでカバーされまくってる超人気曲です。
基本的にはギター一本の弾き語りですが、クリープハイプには珍しく、途中ストリングスやピアノが入ります。
歌やメロディーはもちろん、普段の「ロック」な彼らからは想像がつかないほどのミニマルなアレンジ。
「正直クリープハイプって苦手!」という方こそ是非。
アコギの乾いた音と繊細な響きが、歌の表情にも大きく影響を与えるのが、アコースティックソングの魅力です。
第4位 Galileo Galilei / Sea and The Darkness
ガリレオ・ガリレイのアコースティックソングといえば、「管制塔(Acoustic)」が有名ですが、nusk的には後期ガリレオの熟成された音が詰まった「Sea and The Darkness」がオススメ。
※1:40以降は別の曲です。
1分程度の短い曲ですが、素朴だった「管制塔」に比べ、荒波に揺られながらも抗うような、うねりのあるグルーヴは、USのオルタナバンドB.R.M.Cのアコースティックナンバーをも思わせる凄みがあります。
バンド力の爆発的な向上を感じさせます。
第3位 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ / Sunday Morning
第3位はニューヨークの伝説的ロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドと女優のニコ、そして画家のアンディー・ウォーホルが「コラボ」した芸術作品「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」の冒頭を飾る楽曲です。
このアルバムのアートワークはものすごく有名ですが、肝心の中身を知らない方は多いはず。
しかし、オルタナティヴ・ロックを演奏するアーティストの中で、このアルバムの存在を無視できる人間はいないでしょう。
アメリカでは、このアルバムに影響を受けたアーティストだけを招聘したフェス「オール・トゥモローズ・パーティーズ」が定期開催されていたりと、このアルバムを起点にオルタナティヴ・ロックの歴史が始まったといっても過言ではありません。
と、あらゆる前情報から、期待を胸に再生ボタンを押すと、この冒頭1曲目で必ず肩透かしを食らうという一連の流れは洋楽ロックリスナーの必ず通る道です笑
聴こえてくるのはチェレスタ(ピアノの原型のような楽器)のレトロな伴奏をバックに、無表情に歌い上げるボーカル。
このアルバムがあなたの脳に染みついた暁には、素朴なチェレスタの背後に忍ぶヴァイオリンの「狂気」が蠢くように響くのです・・・(ホラー風)
第2位 ザ・ビートルズ / Michelle
先ほどのSunday Morningとはまた違った、独特の憂いを帯びた名曲です。
シンプルなのになぜか目がくらむようなサイケな感覚を呼び起させるのは、へんてこなベースラインと、脈絡なく挿入されるフランス語の歌詞のせいでしょうか。
シンプルな中にもとんでもない密度を秘めた恐るべきアコースティックソングです。
第1位 はっぴいえんど / 風をあつめて
ロックの名曲というよりは、もはや日本のポップスの代表曲と呼べるくらいお茶の間に浸透している曲ですよね。
ソフィア・コッポラの映画で流れたときはビックリしました。
時代の匂いや空気を呼び覚ますような歌詞と、「すきま風」のようなアレンジ、そして朴訥とした歌声とメロディー・・・
「一体何がスゴイのか」というと、やはり言葉を失ってしまいます。
彼らが「日本語ロック」を背負ってくれたおかげで、今の邦楽ロックが存在するのは間違いないですが、そんな気概を毛ほども感じさせないところがはっぴいえんどのイチバンの魅力です。
さいごに
今回は「ロックバンドのアコースティックソング」というお題の記事でした。
「ロックバンドのポップソング」というテーマの記事も書きましたので、よろしければご覧ください。
締めに「番外編」ということで、これは「ロック」ではありませんが、私が愛してやまないアコースティックソングを。
レゲエを代表するアーティスト、ボブ・マーリーの弾き語りソングです。
優しくも気高い歌声、そして弾き語りで際立つメロディーセンスに圧倒されます。
何よりすごいのが、レゲエのリズムを刻んでいないのにもかかわらずレゲエのフィーリングを感じさせるってところ。
ところで、どなたかボブ・マーリーの弾き語りアルバム知りませんか?
ブートレグでもいいんで教えてください(懇願)