音楽の聴かず嫌い。 ~洋楽ロック完全攻略メソッド~

「良さがわからない」音楽(主に洋楽ロック)のHow to listenをレクチャーするブログ。

星野源『Pop Virus』最速レビュー ~発売日が待ちきれない貴方へ~

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2年半ぶりのニューアルバム「Pop Virus」の発売を来週12/19(水)に控えている星野源表題曲「Pop Virus」のMVが解禁されたので、早速レビューしたいと思います!

 

おひさしぶりです。

 

 

107日。

 

このブログの最終更新日から数えて今日までの日数です。

要するに、ぜんぜんブログ書いとらんっちゅーことですわ。(開き直り)

 

9月はじめに大型台風21号が襲来してから今も、台風被害の影響で、いまだその関係の仕事に追われ続けてます。

「オレらの台風はまだ終ってねえ」が業界内で決めゼリフとして濫用されてます。

 

…と、言い訳してみるも、奥さんからはやっぱり三日坊主だったね」と乾いた嘲笑。

一応まる2ヶ月は隔日で更新してたんですけど!と言い返そうと思いましたが、…まぁ結局続かなかったわけですよ…チクショー!!

 

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それでも沈黙を破ったワケ

 

そんな「107日の沈黙」(なんか映画のタイトルみたい)を破って再びブログを更新したからには理由があります。

 

星野源の新曲「Pop Virus(ポップ・ウイルス」の素晴らしさを伝えたい!と思ったから。

 

こちらの記事でもお伝えしたように、「恋」や「アイデアが収録される新アルバムへの私の期待値は、文句なしの100%でした。(もちろんアルバムも予約済み☆)

 

しかしこの表題曲「Pop Virus」のMVを視聴したことで、期待値は否が応でも100%を超えてしまいました!

期待を裏切らないどころか、いつも様々なアイデアで、私たちの予想を超えて響く、星野源の音楽には、ホントひれ伏すしかないんです。

 

 

では早速ご覧あそばせ。

 


星野源 - Pop Virus【MV】/ Gen Hoshino - Pop Virus

 

 

表題曲「Pop Virus」

 

ニューヨークの地下鉄を思わせる舞台と、車内に所狭しと書き殴られたグラフィティ・アート。(そして星野源の気取ったようなカラーサングラス!)から伺えるように、今回はアーバンなブラックミュージックにドップリと浸かった一曲となっております。

 

ブラックミュージックについてはこちら↓

nusk.hatenablog.com

 

 

楽曲は、おそらく星野源が弾いているであろうガットギター1本の音色からはじまりますが、初期にみられた素朴なフォークミュージックの面影はなく、ジャジーなコード選びと、タメの効いたグルーヴが、ブラックミュージックの予感を与えます。

そして次の瞬間、その予感を裏付けるように、シンプルで力強いビートが刻まれはじめます。

そう、「アイデアの2番において、アイツ完全に主役を食らってたぞ」とウワサの「STUTS」が、早速登場です。

 

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星野源「アイデア」楽曲レビューはこちら↓

 

nusk.hatenablog.com

 

 

STUTS参上。

 

MPCと呼ばれるサンプリングマシンで、ビートや効果音を、自由自在に作り出しています。よくみると、MV冒頭の画面左で本人がひっそりと「エア・サンプラーしてますね笑

 

詳しくは後述しますが、今回も「アイデア」同様、このSTUTS君が主役・星野源を大食らいしてしまいます。

 

星野源のアレンジ力

 

冒頭のサビが終わると、生音のストリングスをふんだんに使ったインタールード(間奏)へ突入します。

何気に星野源は、ストリングス使いがとても上手だと思ってます。

前作「YELLOW DANCER」に収録されている「桜の森」なんか、曲の骨格自体はゴテゴテのブラックミュージックなんですが、弦楽器のクラシカルな響きが、楽曲のグレードを何段も引き上げていて、驚かされます。

 

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ストリングスって、使い方によっては、すごく安っぽく下世話な感じになってしまいますよね。さぁココで盛り上がれ!」と「はいココで泣け!」とか言われてる気がして。。

特に具体例はあげませんが(^^)

 

星野源はあくまで自然に、楽曲をドレスアップする「アレンジ力」に長けていると思います。

 

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星野源バンド

 

さてさて、MVの中では、星野源バンドのおなじみの面々も次々と登場していきます。ギター 長岡亮介ベース ハマオカモトです。

この2人、楽器もってなくてもメチャクチャ格好いい!男でもフツーに惚れますよ。

とても洗練された風貌の2人ですが、演奏面も同様に、ギターとベースはアダルトかつ茶目っ気のあるプレイをみせてくれます。名脇役と呼ぶにふさわしいオシャレな二人です。

 

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…ん?だれか足りないって?

 

え?髭?

 

 

髭ドラマー不在

 

そうなんです。

なんと今回の楽曲、星野源バンドひいては「モータウン・コア」サウンドの要であるはずの、熟練のドラマー「河村"カースケ"智康」氏が一切登場しないんです。

 

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モータウン・コアについてはこちらの記事を!↓

 

nusk.hatenablog.com

 

 

「アイデア」の2番でも、ビートをSTUTSに譲っていたのが印象的でしたが、今回は、全編においてドラムスが不在なんです。

 

裏を返せば、生のドラムがなくても、こんなに豊かな、人間味溢れる音楽にしてしまえる、星野源ってやっぱ天才。紛れもなくポップミュージックの申し子ですよ!(隙あらば褒める)

 

…とはいえ、「恋」や「ドラえもん」等における、河村カースケ氏の、あの「スネア連打」が大好物の私としては、ニューアルバムでお腹いっぱい聴かせてくれることを、期待してます!

 

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STUTS=ジン・フリークス?

 

さて、ドラムが不在であるということは、この曲のビートを一貫して支配してるのは、他でもない、サンプラーを操るSTUTSの「指と手首」なわけです。

 

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しかし、これはよく考えてみると恐ろしいことです。

新入りのサポートメンバーが、既存のグループをかき混ぜてしまう様は、ハンターハンターオレもまぜろよ」の場面を思い出しました…笑

 

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※詳しくはハンターハンター34巻にて。

 

 

おっと忘れてはいけない。肝心の歌や歌詞もアツくてグッときます。

サビで繰り返される、

「音の中で 君を探してる / 霧の中で 朽ち果てても 彷徨う」

というフレーズは、KREVAの懐かしの名曲「音色」を思い起こさせます。静かに内から燃える情熱を感じさせる歌詞です。

 


音色

 

「Pop Virus」最大の衝撃

 

矛盾してるようではありますが、今回もいつもと変わらず、驚きと新鮮味を提供してくれる星野源

 

しかし、この「Pop Virus」において、私が受けた最大の衝撃をまだお伝えしていません。

それは、00:46辺りを皮切りに、ところどころ挿入される「ノイズ」です。

 

 

「ノイズ」とは?

 

「ノイズ」とは、その名の通り「雑音」のことですが、音楽においては、小難しくいうと、「非楽音(ヒガクオン)」と呼ばれます。

「楽音(ガクオン)」とは、ごく簡単に言うと、楽譜に表せる、ハッキリとした音程をもった音のことです。

ドラムなどの打楽器をのぞく、あらゆる楽器は、このはっきりとした音程=楽音を奏でるように作られています。

 

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クラシックを源流とするポップミュージックにおいては、ノイズ=非楽音は避けるべきものと普通は考えられていますし、そういう教育のせいか、私たちにもノイズは不快なものとして聴こえますよね

 

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「ノイズ」を音楽に取り入れる

 

そんな常識に風穴を開けたのは、生活音や自然の音を録音して作品に仕立て上げた「ミュージック・コンクレート」や、かの有名なジョン・ケージ4分33秒文字通り、4分33秒間何も演奏しないことで起こる観客の反応を音楽とした)などにあたります。

 

上記はしばしば「実験音楽」と呼ばれますが、ポピュラー音楽において、ノイズを積極的に取り入れた例は、「エレクトロニカ」という電子音楽のジャンルが筆頭に挙げられます。

 


Fennesz - Endless Summer

 

また、ロックミュージックにおいても、エレキギターの音をあえて歪ませるフィードバック奏法という手法がよく用いられますが、これを極端に解釈したシューゲイザーというジャンルもあります。

 

youtu.be

 

 

「ノイズ」をポップスに吸収した星野源

 

いずれも分類的にはポピュラー音楽ではありますが、世間一般におけるポップミュージックとは言えないと思います。あくまでオルタナティヴな音楽です(ハマれば抜け出せないほどハマってしまうんですが笑)

 

そんな「ノイズ」を、いとも簡単にポップミュージックに落とし込んでしまったのが「Pop Virus」のスゴイところ。星野源のスゴイところです。

 

正直最初は「ギョッ」としましたが、なんとも曲の雰囲気にきれいに溶け込んでいますね。「ウイルス感染」というテーマにあわせた、ちょっぴりダークな味付けがうまくできています。

純粋なノイズ・ミュージックではありませんが、ほんのちょっと不気味で、ゾワッと神経を逆撫でするような音を、うまく音楽的に取り入れているのではないでしょうか?

 

SF的妄想

 

もしや、このノイズが、脳にポップ・ウイルスを発現させて、YouTubeやテレビなどを媒介して、感染拡大、ついにはパンデミックを引き起こす…そんなSFっぽい想像をついつい膨らませてしまいます笑

伊藤計劃虐殺器官に登場する「虐殺の言語」を思い出しました。

 

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このノイズを演奏(出力?)しているのはおそらくSTUTSのMPCですが、これは彼のアイデアなのでしょうか?それとも星野源本人のアイデアでしょうか?

いずれにしても、最終的にGOサインを出した星野源のコンポーザーとしての手腕には驚かされるばかりです(何が何でも褒めたい)

 

あのキラーチューンにも「ノイズ」

 

あ、そういえば「SUN」の冒頭にも「ノイズ」は使われてましたね。

 


星野源 - SUN【MV & Trailer】/ Gen Hoshino - SUN

 

「ノイズ」って、はじめはちょっと気持ち悪いけど、だんだん気になってきませんか?

 

私なんか、この「ヴヴヴー」という音が流れると、自然と脳みそがSUNきた!」って反応してしまいます笑

星野源「ノイズ・マジック」が快感になってきた貴方は、先述のノイズ・ミュージックの扉を開いてみてもいいかもしれません。新しい世界が拡がりますよ!

以上星野源「Pop Virus」のレビューでした!

 

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今回はたぶん単発の更新ですが、頑張ってブログ復活します。

 

…あれ?冨樫義博の巻末コメントみたい笑

 

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